公開・運用

公開では、開発環境の状態が間違いなく本番環境に再現されていることを確認します。 運用では、公開時の状態を維持しながら、コンテンツの追加や修正などの更新作業を行います。定期的なメンテナンスの作業と、更新作業で行うべき内容とタスクについて整理をし、統一性をもった対応を効率的にできるよう、フローを用意します。

制作依頼開発・運用

運用でも、本編で解説してきた各制作工程でのポイントは変わりありません。 運用を続けていくと、ウェブサイトの中を異なるタイミングでいろいろな改修を重ねていくことになります。通常の更新のPDCAを回すのとはほかに、定期的な総合点検を行い、ウェブサイト全体についてもチェック・計画策定・改修のフローを用意します。 また、改修したウェブサイトの品質を維持するだけでなく、向上させることも必要です。ウェブ技術の進化のスピードは速く、また社会からの訴求として法令の整備やユーザーからの要望に応えるために、以下の二点が欠かせません。

  • リテラシー向上
  • 体制の整備

リテラシー向上

アクセシビリティは、一部の担当者だけが習熟し対応するだけでは推進することはできません。 技術だけでウェブページがアクセシブルにならないのと同様に、コンテンツの内容や原稿を考えるところから、「すべてのユーザーに情報を届けるために何が必要か」を意識することが重要です。

そのためには、企業全体でリテラシーとマインドの平準化を図る必要があります。 教育によって、企業内での認識のずれが少なくなり、全ての関係者が重要性を理解した上で、初めからアクセシビリティを考慮した設計や開発を進めることが可能になります。

基礎知識の理解の場として、ウェブアクセシビリティの重要性と具体的な対応方法に関する研修を複数回、定期的に行うなど、継続的な教育の場を用意してください。

ウェブ技術は日々進化します。それに伴い、ISOやJISなどの規格や、国・地域の法令もアップデートされていきます。 提供するコンテンツやサービスが備えているべき必要条件を見落とさないよう、技術だけでなく社会情勢が企業に求める対応を見落とさないよう、情報をしっかりキャッチアップしていく場としても、継続的な教育は有効です。

体制の整備

リテラシーの向上と並行して、運用体制の整備を行います。 問い合わせ対応やウェブ制作・運用工程、関連ドキュメントは、一度用意したままでは充分に機能しなくなっていきます。こうした改善は、一時的なものではなく、定常的に行うための体制の整備が必要です。 企業の広報の方針の変更やウェブサイトの目的といった根本的な部分の変更だけでなく、ウェブサイト運用中に起きた事例や改善要望などを継続的・定期的に収集し、アップデートを行うためのプロセスと体制を用意してください。

  • ウェブサイトのマネジメントに関わるプロセスの改善
    • ウェブサイトの目的(ゴール)やサービスのキャッチアップ
    • 法令・規格・業界標準などの社会的要因のキャッチアップ
  • ウェブサイト運用現場に関わるプロセスの改善
    • マニュアルやチェックリストの作成・整備
    • ウェブサイト全体の定期的評価の実施
    • ガイドラインのアップデート
  • ウェブサイトユーザーからの意見収集による改善
    • ユーザー調査

上記のうち、特に留意する内容について説明します。

マニュアルやチェックリストの作成・整備

方針やガイドラインだけでなく、実際の作業手順の統一性の保持や効率化が必要な工程について、マニュアルやチェックリストを作成し、適切に手順が守られているかを記録することは、プロセスの整備や改善に有効です。 場面と項目の重要度に応じたチェックリストを作成することを推奨します。

ウェブサイト全体の定期的評価の実施

ウェブページの制作工程には随時、アクセシビリティチェックが含まれていますが、運用では、新規制作・更新される範囲にとどまる場合も増えていきます。そのため、年に一度のように定期的に、ウェブサイト全体での評価を行うようにします。 全体チェックの場合は、ツールだけでなく、アクセシビリティの知見を持つ専門家による包括的な評価を受けるようにしてください。 評価で問題が検出された場合は、通常の制作工程と同様に、計画を立てて改修を実施します。

ガイドラインのアップデート

ガイドラインの内容も定期的に見直すことが推奨されます。 技術や関連規格、法令のアップデートに応じることはもちろんですが、ガイドラインユーザーの読みやすさ、関係者の対応内容や作業工程の変容に合わせていくようにしてください。

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