実装
開発フェーズで制作されたテンプレートやパーツに、コンテンツの原稿(情報)を流し込み、ウェブページを完成させる工程です。また、情報がもれなくウェブページから取得できるかや、全ての機能が誰からも問題なく利用できるかを確認します。
制作依頼開発・運用
これまでの工程で用意してきたビジュアルデザインやパーツ、コンポーネントなどにコンテンツ(テキストや画像などのメディアファイル、代替コンテンツなど)を入れていく工程です。 情報に適した構造を持つパーツやテンプレートを選択し、情報と情報に対する代替コンテンツを組み合わせてウェブページ化する工程と、制作したウェブページについてアクセシビリティの問題が起こっていないかを確認するチェックの工程と大きく二つに分かれます。
作業にあたっては、次の点に注意します。
- ウェブページ化の工程
- 情報構造とコンテンツに適したパーツやコンポーネントを選択する
- 代替コンテンツを適切に配置する
- チェック工程
- ウェブページ全体をチェックする
- 問題が発見された場合、対応を関係者と検討する
情報構造とコンテンツに適したパーツやコンポーネントを選択する
パーツやコンポーネントを選ぶ際、原稿のビジュアルをキーにして選ぶのではなく、原稿の構造と一致するものを選ぶことが重要です。
実例
原稿のファイルでは、「CBT」や「遠隔監視付きIBT」などは太字になっているが、情報構造としては「各種サービス」の次の階層の見出しと考えられる。(赤枠部分)
CMSなどでWYSIWYG(What You See Is What You Get)エディタ による入力の場合、太字の機能を選ぶのではなく、「各種サービス」の次の見出しレベルを選択する。 「各種サービス」がh2要素なら「CBT」や「遠隔監視付きIBT」はh3要素の働きを持つパーツを選ぶ。
ビジネス要件などの事情から、ウェブページの構成や内容、機能の追加や削除といった調整事項が発生することがあります。
これまでの工程で、レイアウトなどのビジュアルデザイン、パーツやコンポーネントを要件定義に基づいて制作してきていますが、コンテンツや機能の変更があった場合、ここまでに制作されたもので適したものがない可能性もあります。
その場合は、無理に既存のビジュアルや構造のパーツを選ぶのではなく、追加の開発が可能かどうかを関係者と検討するようにしてください。
代替コンテンツを適切に配置する
コンテンツの原稿とあわせて、代替コンテンツも組み込んでいきます。 代替コンテンツには、原稿の入力担当がCMSの機能を使って入力したり、開発担当がソースコード内に用意するものなど、さまざまな種類があります。用意したものの入力漏れがないように留意してください。
また、代替コンテンツを制作した時点から実装に至るまでの間に、コンテンツ内容が変更されていることもあります。ウェブページ化する際は、実際にウェブページに入れる情報と代替コンテンツの内容に過不足や齟齬がないよう注意してください。 過不足や齟齬に気づいた場合はすぐに修正します。
ウェブページ全体をチェックする
代替コンテンツを含めたコンテンツをウェブページへ反映したら、あらためて知覚・操作・理解・堅牢の4原則の観点からウェブページ全体をチェックし、問題が発生していないかを確認します。
これまでの工程で段階的にチェックを行ってきましたが、パーツやコンポーネントの組み合わせ方やコンテンツが組み合わさったことで、想定外の問題が起きる場合があるためです。
- ツールによるセルフチェックを行う
- ブラウザのアクセシビリティ機能のアドオンやスマートフォンのアクセシビリティ機能を利用したり、マウスを使わずにキーボードだけで操作してみるといったセルフチェックを行う
- アクセシビリティの専門家によるフルチェックを依頼する
上記のすべてを行う、あるいはいくつかを組み合わせて問題を洗い出します。
問題が発見されたら、何に起因するものかを突き止めます。コンテンツによるのか、ビジュアルデザインによるのか、パーツやコンポーネントによるのかを精査し、コンテンツ担当者や開発者、デザイナーへ改修を依頼します。
ウェブサイト公開までにすべての問題を解決する必要がある場合は、チェック→改修→再チェックを繰り返します。
問題が残ってしまう場合
残念ながら、技術要件やビジネス要件などの兼ね合いで、アクセシビリティの問題が残ってしまう場合があります。その場合は、公開後の次のコンテンツ更新など、ウェブサイト運用の工程中に改修計画を織り込むようにします。
アクセシビリティのゴールは、準拠や適合といった満点のラベルを掲示することではありません。また、公開時点で問題がなくても、運用中に新たな問題が起きることもあります。 起きている問題についてはウェブサイトで公開し、ユーザーに情報を提供します。どのような問題があるかをユーザー自身が知ることが出来ると、例えば他の人にウェブページを確認してもらったり、問題が起きているウェブページを回避するなどの対応が取れるためです。
ウェブサイトによる情報提供を責任をもって行うために、問題が起きたときの対応フロー、具体的な問題解決の計画立案などを、各担当が連携して、しっかりと準備してください。